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歯ブラシを販売する際に必要な表示は?品質に関する規格・基準も解説

歯ブラシを販売する際に必要な表示は?

歯の健康を保つためのセルフケアの基本が歯磨き。歯磨きの際に使用する歯ブラシは口の中に入るものでもあり、口内環境は全身の健康にも関わるため、材質へのこだわりや安全性などに注目する方も多いでしょう。

この記事では歯ブラシを販売する際に必要な表記について、関連法令を交えて解説します。また歯ブラシに関する規格・基準についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家庭用品品質表示法における歯ブラシの定義

私たちが毎日何気なく使用している、身近な日用品「歯ブラシ」。歯ブラシは毛の材質など品質を重視する他、磨き心地を考慮して毛の硬さなどの表示を確認してから購入するという方も多いでしょう。

歯ブラシの品質などに関する表示が定められている法令は「家庭用品品質表示法」です。

家庭用品品質表示法では歯ブラシを以下のように定義しています。

通常生活で用いられる植毛されたものをいい、柄とブラシ毛から構成されているもの。
電動式のもの及び使い捨て用等一時的に使用するものを除く。  

引用元:消費者庁 家庭用品品質表示法「歯ブラシ」

家庭用品品質表示法とは、消費者が日常的に使用する家庭用品を購入する際に適切な情報を得られるようにすることを目的として制定されました。

この法律では繊維製品(衣料品や布団、糸、織物など)、合成樹脂加工品(食器や調理器具、洗面器、バケツなど)、電気機器器具や雑貨工業品(トイレットペーパーやティッシュペーパー、漂白剤、靴、洋傘など)の対象品目ごとに、表示すべき事項や表示方法が定められています。

歯ブラシは雑貨工業品に分類され、販売の際には毛の硬さや柄(え)の材質などの表示が必要とされている項目です。

歯ブラシを販売する際に必要な表示について、詳しくはのちほどご紹介します。

歯ブラシの品質に関わる規格・基準

消費者が購入し使用する歯ブラシの安全性を保証するためには、しかるべき規格・基準に則って製造された製品を販売すべきであるといえます。

歯ブラシを販売する際に表示すべき事項について解説する前に、歯ブラシそのものの規格や基準についてみてみましょう。

JIS(日本産業規格)による規格

「JISマーク」でおなじみのJISは、日本の産業製品に関わる規格や測定法などを定めた国家規格。JISは製品の品質や性能、安全性に関する規格、さらにこれらを確認する試験方法などを定めることで、生産者および消費者が安心して良質な製品を手に入れられるようにすることを目的としています。

「JIS S3016:1995」では、歯ブラシに関する以下の項目についての基準が設けられています。

  • 品質
  • 材料
  • 試験方法
  • 検査方法
  • 表示

それぞれについてみていきましょう。

【品質】

歯ブラシの柄および毛の硬さや安全性(健康に害を及ぼさないことや歯肉を傷つけないこと)の規格の他、汚れた毛や異物が混入されていないか、完全に毛止めされているかなどについての基準。

【材料】

歯ブラシの柄の材質(プラスチック)および毛の材質(天然・合成)や毛止め材(柄に毛を取り付けるもの)についての規格・基準。

【試験方法】

毛止め強度、耐熱温度、毛の硬さを確認するための試験方法や用いる試料についての基準。毛の硬さの試験方法には、以下の2つの方法が規定されています。

  • ダイヤルゲージを用いる方法
  • 圧縮試験機を用いる方法

ダイヤルゲージも圧縮試験機も、毛の硬さを測定する機器の名称です。

【検査方法】

柄および毛の硬さや安全性など(品質の規格・基準に基づき)についての検査方法に関わる基準(全数または抜き取り方式により検査)。

【表示】

販売単位ごとの表示が必要な項目(ただし①は②で表示される場合は省略可)

  • 製造業者名又はその略号
  • 家庭用品品質表示法に基づく表示

製造事業団体などによる独自の規格

歯ブラシをはじめ歯間ブラシやボディブラシなどを製造する事業者から成る「全日本ブラシ工業協同組合」では、独自の品質基準に合格した歯ブラシのみに付けられる品質を推奨するマークを付与する制度を設けています。

この制度があることで歯ブラシの品質向上につながる他、消費者が購入する際の品質保証の目安にもなるでしょう。

JISとISO(国際標準化機構)における歯ブラシの規格

歯ブラシの規格はJISの他、国際的な基準であるISO(国際標準化機構)でも歯ブラシの規格・基準が設けられています。しかし、現時点ではJISとISOの間で整合性が図られていません。

「ISO 20126:2012」「ISO 22254:2005」では、JIS S3016:1995で規定されていない以下の項目を定めています。

  • 耐久性
  • 耐薬品性
  • 衝撃に対する柄の強度

今後はJIS S3016:1995を改定することで、ISOとの整合性が図られる予定であるといわれています。

歯ブラシ販売で表示すべき項目

歯ブラシを販売する際に表示が必要な項目については、家庭用品品質表示法およびJISで定められています。

歯ブラシに必要な表示は、最小販売単位ごとに付ける必要があります。購入する方が見えやすい部分にラベルを貼り付けたり、包装に印刷したりするなどして表示しましょう。重要なのは、分かりやすい場所に記載することです。

それでは販売する歯ブラシに表示が必要な項目についてみていきましょう。

毛の硬さ

家庭用品品質表示法における毛の硬さの表示は「JISに定める機器と試料を用いて測定されたもの」を「JISで決められた項目名」で表示します。

「JISで決められた項目名」とは以下のとおりです。

〈歯ブラシの毛の硬さ(単位:N/cm2)〉

項目毛の硬さ
かため75以上
ふつう50〜85
やわらかめ60以下

実際の表示例としては項目名である「かため」「ふつう」「やわらかめ」を表記します。

毛の材質

毛の材質は、材質を示す用語を用いて表示しなければいけません。

例えば豚毛や馬毛などの獣毛を使用する場合は「天然毛(馬毛)」と表記します(「天然毛」と記載した後に、括弧書きで種類を表す用語を表記)。

また合成樹脂を使用する場合は、以下のように原料樹脂の種類を示す用語を用いて表示します。

〈原料樹脂の種類と指定用語(表示名)の一例〉

原料樹脂の種類用語(表示名)
エチレンが主成分のものポリエチレン
プロピレンが主成分のものポリプロピレン

※消費者庁 家庭用品品質表示法「合成樹脂加工品品質表示規程」を参考に作成

上記以外に歯ブラシに使用されているナイロンやPBT(ポリブチレンテレフタレート)なども合成樹脂の一種です。

柄の材質

毛の材質だけではなく、柄の材質についても表示が必要です。合成樹脂を使用する場合は、毛の材質の表示と同様に原料樹脂の種類を表す用語を用います。

柄の材質は合成樹脂を使用することが多く、AS樹脂やABS樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、飽和ポリエステル樹脂、エラストマー樹脂などが使われています。

耐熱温度

耐熱温度の表示には「歯ブラシを温水に3分間浸し、柄または毛の異常が生じない最高温度」*1が用いられます。

ちなみにJISにおける耐熱温度の試験方法は「表示された温度±2℃の温水中に3分間浸した後、柄および毛の異常の有無を調べる」と規定されています。

表示者名など

歯ブラシ販売の責任の所在を明確にするために、表示した者の「氏名または名称」「住所または電話番号」の表記が必要です。

*1 消費者庁 家庭用品品質表示法 「歯ブラシ」

歯ブラシを販売するには法律に則った表示が必要

歯ブラシを販売するには「家庭用品品質表示法」に則り、必要な項目を表示しなければいけません。

その他、日本では「日本産業規格(JIS)」にて歯ブラシの品質や材料、試験方法、検査方法、表示に関する規格・基準が設けられています。

どちらも消費者が歯ブラシを購入するにあたり、適切な情報を入手したり安心して品質の良いものを購入したりするのに必要な法律や規格です。

消費者自身が正確な情報を得た上で歯ブラシを選ぶには、適正な表示が不可欠であるといえるでしょう。

さて、ここまで歯ブラシのみに着目してお話をしてきましたが、口腔ケア用品には歯ブラシの他にも、歯間ブラシやフロスなどの製品があります。
口腔ケア用品は下記参考サイトのようにネットでも販売されていますので、調べてみてはいかがでしょうか?毎日のブラッシングと併用し、より口腔内を清潔に保ちましょう。

≪参考ページ≫
歯ブラシ販売のハートフルスマイル

ハートフルスマイルでは歯ブラシはもちろん、歯と歯肉の境目を清掃するワンタフトブラシや、歯周ポケット内の清掃を行う歯間ブラシなど、様々な口腔ケア用品を販売しています。

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