家庭でもお店のようなサクサクの天ぷらが作れたら、家族に喜ばれること間違いなしです。この記事では、自宅で簡単にできる美味しい天ぷら作りのコツや、揚げ方のポイントを解説します。さらに、サクサクの衣を作るための秘訣や、食材に合わせた油の温度と揚げ時間も紹介します。これらのポイントを押さえて、自宅で天ぷらを楽しんでみてください。
サクサク天ぷらの作り方
天ぷらを揚げる際に、家庭で市販の「てんぷら粉」を使用するのが一般的ですが、実は、手元にある普通の小麦粉でも美味しい天ぷらを作ることができます。この記事では、特別な粉を使わずに家庭にある小麦粉で作る天ぷらのコツや方法を紹介します。
衣作りのコツ
天ぷらをサクッと揚げるには、小麦粉の選び方と衣作りのコツを知っておくと良いでしょう。小麦粉には、薄力粉、中力粉、強力粉の3種類がありますが、天ぷらには薄力粉を選びます。薄力粉はグルテンが少ないため、粘りが出にくく、衣が軽やかに仕上がります。小麦粉を使う際には、ふるいにかけると空気を含んでふんわりとした衣が作れます。
次に卵液を準備。冷たい水と卵を混ぜて卵液を作りましょう。冷水を使うのは、卵液が温かいとグルテンが出やすく、衣が重たくなってしまうためです。卵液を薄力粉に加えたら、菜箸を使って縦横に軽く混ぜるだけで十分でしょう。粉が完全に混ざらず、ダマが残るくらいが理想です。混ぜすぎると、粘りが出てしまい、衣が厚くなってしまいます。衣は揚げる直前に用意すると、サクサク感をキープできます。
油と食材の温度管理のコツ
油と食材の温度に気を配ることも重要です。まず、たっぷりの油を使い、具材が油の中でしっかりと浮くようにします。このためには、底の深い専用鍋を使うのが最適です。揚げる際には、一度にたくさんの具材を入れないように注意しましょう。油の温度が下がってしまうので、鍋の半分ほどの量に抑えると良いでしょう。
特に魚介類を揚げるときは、揚げる前に余分な水分を丁寧に拭き取ります。そして、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておくことがポイントです。また、衣を入れる器は氷水を張ったボウルの上に置いて冷やしておきましょう。こうすることで、衣も冷たく保たれ、熱い油との温度差が生じます。こうすることで、水分が素早く蒸発し、サクサクの衣に仕上がるでしょう。
よりサクっとさせる衣作りの秘訣は?
基本の衣にちょっとした工夫を加えることで、天ぷらの衣をさらにサクサクにすることができます。どれも簡単にできる方法なので、ぜひ試してみてください。
〇卵の代わりにマヨネーズを使う
天ぷらの衣がベタつきやすいのは、水分が残るのが原因です。これを防ぐためには、卵の代わりにマヨネーズを使う方法があります。マヨネーズの油分が加熱されると、衣の温度が上がり、水分が蒸発しやすくなるため、サクサクの仕上がりになるでしょう。また、マヨネーズに含まれる油分と食酢は、グルテンの形成を抑える効果もあります。これにより、粘りが出にくく、衣が軽くサクサクに仕上がります。
〇水の代わりに炭酸水を加える
衣作りに必要な水の代わりに、炭酸水を使用する方法です。炭酸水を使うと、衣の中で炭酸ガスが発生します。この状態で揚げると、炭酸ガスが加熱されて、衣の内部から火が通りやすくなります。その結果、水分がしっかりと抜けて、衣がサクサクに仕上がるのです。炭酸水を使うことで、揚げたときに生地の中に小さな気泡ができ、軽やかでカリッとした食感になります。
〇薄力粉の中に片栗粉を混ぜる
片栗粉には、天ぷらの粘りの原因であるグルテンが含まれていません。そのため、薄力粉と片栗粉を1:1の割合で混ぜると、衣の粘りを抑えることができ、サクサクの仕上がりになります。薄力粉に片栗粉を加えることで、衣に程よい軽さが生まれ、揚げたときにカリッとした食感になります。
天ぷらを揚げるときのポイント
油の温度は、基本的に180℃がベストです。魚介や肉を揚げるときに適しており、この温度で揚げると、材料の旨味を閉じ込めつつ、衣がカリッと仕上がります。
ただし、食材によって適した温度や揚げる時間が少しずつ違うため、それぞれに合わせた温度調整が必要です。ここでは、家庭でサクサクの天ぷらを揚げるためのポイントをご紹介します。
天ぷらを揚げる順番
天ぷらを美味しく揚げるには、具材を揚げる順番が大切です。まず、大葉などの葉野菜から揚げましょう。葉野菜はすぐに揚がり、油が汚れにくいので最初に揚げるのがおすすめです。しっかり水気を切っておけば、カリッとした仕上がりになります。
次に、かぼちゃやさつまいもなどの固い野菜を揚げます。固い野菜は水分が少ないため油を汚しにくいですが、外側が焦げやすいので、低めの温度でじっくり揚げるのがポイントです。
続いて、ナスやきのこなどの柔らかい野菜を揚げましょう。柔らかい野菜は水分が多いので、高温でさっと揚げるときれいに仕上がります。固い野菜の後で揚げると油が適度に温まっていて最適です。
その後に、肉や魚を揚げます。これらは香りが強いので、野菜に香りが移らないようにするため、最後の方で揚げると良いでしょう。
最後にかき揚げを揚げます。かき揚げは天かすが出やすく、油が汚れやすいので一番最後に揚げるのがポイントです。
食材事の油の温度と時間
天ぷらを美味しく揚げるためには、食材ごとに適した温度で揚げることが重要となります。
野菜やきのこ、根菜類は低温(150〜160℃)で揚げるのがポイントです。大葉やししとうなどの葉野菜は30~50秒、かぼちゃやさつまいもなどの根菜類は2~3分、しいたけやしめじなどのきのこ類は1分程度が目安です。衣を少し油に落とし、底に沈んでからゆっくり浮いてくるようなら、低温になっています。
なすや玉ねぎ、かき揚げは中温(160〜170℃)で揚げましょう。なすや玉ねぎは低温で揚げると油を吸いすぎてしまうので、中温で揚げるのがおすすめです。小えびや貝柱、野菜が入ったかき揚げも中温で揚げると、外側が焦げずにふんわりと仕上がります。なすは1分~1分30秒、玉ねぎは2分、かき揚げは1分30秒~2分が目安です。衣を少し油に落とし、少し沈んでから浮いてくれば中温に。
えびや魚、肉などは高温(170~180℃)で揚げると良いです。これらの食材は高温で短時間に揚げることで、旨味を閉じ込め、クセやにおいを抑えられます。肉類は2~3分、えびは2~3分、きすなどの魚は1分ほどが適しています。衣を少し油に落とし、すぐに浮いて散らばるなら高温です。
油から引き上げるタイミング
油から引き上げるタイミングは、自然と油の表面に食材が浮かんできた時です。ここで注意したいのは、完全に浮いてから取り出すのでは遅いということ。
その理由は、余熱による影響です。油から引き上げた後も熱が伝わり続けるため、具材が揚げすぎになり、食感や香りが損なわれることがあります。また、衣が硬くなってしまうこともあります。このため、浮かび上がりそうになったら、すぐに油から引き上げることが大切です。
このタイミングで取り出すと、余熱でちょうど良い仕上がりになり、香ばしくサクサクの天ぷらを楽しめます。
まとめ
天ぷらは、家庭で作ることができるシンプルな料理ではありますが、お店のようなサクサクとした食感を出すには、プロでも習得に時間がかかる熟練の技が必要です。
しかし、この記事で紹介したポイントを使えば、自宅でもサクサクの天ぷらを作る参考になるでしょう。家庭でプロの味わいを楽しみたい方は、ぜひコツを押さえておいしい天ぷら作りに挑戦してみてください。
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